じゅう)” の例文
不倫と申すこと、要は蕪村一人のじゅうを盛唐幾多の作家と比擬ひぎすること、及び晩唐の方にはかへつて比擬すべき作家あらむと思ひ、云々。
人々に答ふ (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
ややもすると突っかゝって来る。ういう調子だから、ていく見限られたのだろうと思ったけれど、それを言えばおこるばかりだから、僕はなだすかしながら、一じゅうを聴き取った。
首切り問答 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
逃虚集とうきょしゅう十巻、続集一巻、詩精妙というにあらずといえども、時に逸気あり。今其集について交友を考うるに、珙と張天師ちょうてんしとは、最も親熟しんじゅくするところなるが如く、贈遺ぞういじゅうはなはすくなからず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
の如き数へ尽さず、これらのじゅう必ずしも力を用ゐし者に非ずといへども、皆善く蕪村の特色を現して一句だに他人の作とまがふべくもあらず。天稟てんぴんとは言ひながら老熟の致す所ならん。
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
のごとき数え尽さず、これらのじゅう必ずしも力を用いしものにあらずといえども、皆よく蕪村の特色を現わして一句だに他人の作とまごうべくもあらず。天稟てんぴんとは言いながら老熟の致すところならん。
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)