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井戸側
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いどがわ
丁度四歳の初冬の或る
夕方、私は松や
蘇鉄や
芭蕉なぞに其の年の霜よけを
為し終えた植木屋の
安が、一面に白く乾いた
茸の
黴び着いている
井戸側を
取破しているのを見た。
唯有る
人家に立寄って、井戸の水をもらって飲む。
桔槹の
釣瓶はバケツで、
井戸側は
径三尺もある
桂の丸木の中をくりぬいたのである。一丈余もある
水際までぶっ通しらしい。
ちょんさんの
弟は、「ちょんさんの
落ちたのは
名前が
短くって、
運が
悪いからだ。おれなんかどんなことをしたって
落ちやしない。」といばりかえって、わざと
井戸側にぶら
下がったり
近々に学校で——やがて暑さにはなるし——余り
青苔が生えて、石垣も崩れたというので、
井戸側を取替えるに、石の
大輪が門の内にあったのを、小児だちが
悪戯に庭へ転がし出したのがある。