中啓ちうけい)” の例文
つうじければ山内先生の御出とならば自身に出迎でむかうべしと何か下心したごころのある天忠が出來いできた行粧ぎやうさう徒士かち二人を先立自身はむらさきの法衣ころも古金襴こきんらん袈裟けさかけかしらには帽子ばうしを戴き右の手に中啓ちうけい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おりくつ穿はきて立出ける其衣服は葵の紋を織出したる白綾しろあやの小袖を着用し其下に柿色かきいろ綾の小袖五ツを重ね紫きの丸帶まるぐけしめ古金襴の法眼袴を穿ち上には顯文紗けんもんしや十徳を着用し手に金の中啓ちうけい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この時上段のみすの前には赤川大膳あかがはだいぜん藤井左京ふぢゐさきやうの兩人繼上下つぎかみしもにて左右に居並び常樂院天忠和尚てんちうをしやう披露ひろうにつれ大膳が簾をまけ雲間縁うんけんべりでふの上ににしきしとねしき天一坊安座し身には法衣ころもを着し中啓ちうけい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)