両掌りやうて)” の例文
旧字:兩掌
「いくら何でも僕に禁酒法案の説明をさせるなんて余りぢやないか。」憲法学者は二日酔ひの顔を手帛ハンカチのやうに両掌りやうて掌面てのひらで揉みくしやにした。
きふまた雪枝ゆきえは、宛然さながら稚子おさなごるやうに、両掌りやうてさうしかてゝ、がつくり俯向うつむく、背中せなかくもかげくらした。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)