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下渡
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さげわた
ふりがな文庫
“
下渡
(
さげわた
)” の例文
まだ警察から
下渡
(
さげわた
)
されず、仏壇の前の白布で覆われた台には急
拵
(
ごしら
)
えの
位牌
(
いはい
)
ばかりが置かれ、それに物々しく
香華
(
こうげ
)
がたむけてあった。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
郵便局の
為替
(
かわせ
)
受け口には、
黒繻子
(
くろじゅす
)
とメリンスの
腹合
(
はらあわ
)
せの帯をしめた女が為替の
下渡
(
さげわた
)
しを待ちかねて、たたきを下駄でコトコトいわせている。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
徳市は十円の紙幣を
下渡
(
さげわた
)
されて拘留所を出た。
汚
(
よご
)
れた紳士姿のままボンヤリと当てもなくうなだれて歩き出した。長い事歩いて
後
(
のち
)
静かな通りへ来た。
黒白ストーリー
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
……それに、
勝
(
かつ
)
安房守
(
あわのかみ
)
様より
下渡
(
さげわた
)
された五千両の軍用金で、銃器商大島屋善十郎から、鉄砲、大砲を買取り、鎮撫隊の隊士一同、一人のこらず所持しておる、大丈夫じゃ。
甲州鎮撫隊
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そのままお
下渡
(
さげわた
)
しになったのを、ただいま洗おうとしたら、まあどうでしょう、ちゃりんと小判が、と息せき切って語るのだが、主客ともに、けげんの
面持
(
おもも
)
ちで、やっぱり
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
戦利品の財宝を多少お
下渡
(
さげわた
)
し下さりませ。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
それにも拘らず溺死者の死体は外に怪しい
箇処
(
ところ
)
も無いので、其儘受取人として
名告
(
なの
)
つて出たかの娘つ子に
下渡
(
さげわた
)
された。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
下
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
渡
常用漢字
中学
部首:⽔
12画
“下”で始まる語句
下
下手
下駄
下手人
下谷
下婢
下総
下司
下野
下僕