三好みよし)” の例文
多年、乱脈な暴状をきわめていた室町幕府の内輪うちわもめがまた、自爆をんで、三好みよし、松永の両党が、将軍義輝を殺したのは、その年の前年六月だった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
簡単な挨拶が各自の間に行われる間、控目にみんなのうしろに立っていた彼女は、やがて自分の番が廻って来た時、ただ三好みよしさんとしてこの未知の人に紹介された。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
阿波の三好みよし美馬みま海部かいふ等の諸郡では、山村いたる処にタフを生産する。是はかじの木の皮または葛や藤の皮を織った麁布あらぬのであると、『阿波志あわし』という書には記している。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
三好みよし曹長がこの写真を持って午後東京へ帰る事となっています。そして先ず憲兵隊司令部と警視庁の指紋台帳を照合して見るわけです。三好は最も信頼できる憲兵です
偉大なる夢 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
三好みよしなどの各地の配下へ持たせて、しらみつぶしに各村を調べさせた一方、代官所の手先に命じて、城下はいうに及ばず、阿波の沿海、残るくまなく捜索させた。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼女は継子に話しかけながら、ほとんど三好みよしの影さえ思い浮べなかった。幸いそれを自分のためとのみ解釈した継子は、ともにお延の調子を受けるほど感激しなかった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
執事の三好みよし老人其他一同の出迎えを受け、無事洋風大広間に入られた。
黄金仮面 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
頑然がんぜん、信長に対抗している敵は、由来、長曾我部元親ちょうそかべもとちかであったが、信長は、その敵に対して、三好みよしの一族を遠くから援護して当らせ、ともかく今日までは、その伸展しんてんを制して来た。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三好みよし氏は紀伊きい、伊賀、阿波あわ讃岐さぬきなどに、公方くぼう与力よりきと旧勢力をもっている点で無視できないが、これとて要するにことごとく頭の古い過去の人々であるばかりで、世をみだし民を塗炭とたんに苦しめた罪は
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三好みよしの若殿こそ、あやうし……」
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しと三好みよし
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)