一宿ひとよ)” の例文
かれここにその姉は、いとみにくきに因りて、見かしこみて、返し送りたまひて、ただそのおとはな佐久夜さくや賣毘を留めて、一宿ひとよみとあたはしつ。
二〇一宿ひとよ供養くやうして二一罪をあがなひたてまつらんと、二二ゐやまひて奥の方に迎へ、こころよく食をもすすめてもてなしけり。
ここに詔りたまはく、「佐久夜毘賣、一宿ひとよにや妊める。こは我が子にあらじ。かならず國つ神の子にあらむ」とのりたまひき。
一〇八ひたすら一宿ひとよをかし給へ。あるじの僧云ふ。かく野らなる所は一〇九よからぬ事もあなり。ひてとどめがたし。一一〇強ひてゆけとにもあらず。
大きなる家のにぎははしげなるに立ちよりて一宿ひとよをもとめ給ふに、田畑たばたよりかへる男黄昏たそがれにこの僧の立てるを見て、大きにおそれたるさまして、山の鬼こそ来りたれ
ここにその御子、肥長ひなが比賣に一宿ひとよ婚ひたまひき。かれその美人をとめ竊伺かきまみたまへば、をろちなり。すなはち見畏みて遁げたまひき。ここにその肥長ひなが比賣うれへて、海原をらして船より追ひ