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ネーブ
『
願くは
陛下よ』と
云つて
軍人は、『
私が
書いたのでは
御座いません、その
證據には、
終ひに
名も
何も
書いて
御座いません』
『
併し
何か
其れには
意味があるやうに
思はれる。「——
泳げないとの
辯疏で——」
其方には
泳げぬか、え?』
云つて
軍人の
方を
御覽になりました。
行列が
愛ちやんと
相對峙する
迄進んで
來た
時に、
彼等は一
齊に
止まつて
愛ちやんを
打眺めました、
女王樣は
嚴肅に、『こは
何者ぞ?』と
心臟の
軍人にまで
申されました。