“ようとう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
揺蕩42.9%
羊頭14.3%
蠅頭14.3%
妖刀7.1%
楊桃7.1%
漾蕩7.1%
腰刀7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
机から急に立上つた身体の動揺から私は軽微の眩暈めまいがしたのと、久し振りにあたる明るい陽の光の刺戟しげきに、苦しいよりかえっ揺蕩ようとうとした恍惚こうこつに陥つたらしい。
蔦の門 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
「非常に便利です。所謂いわゆる文明の利器ですな。」角顋は、ポケットから朝日を一本出して、口へくわえながら、「こう云うものが出来ると、羊頭ようとうを掲げて狗肉くにくを売るような作家や画家は、 ...
Mensura Zoili (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
殊に原本は十五、六行の蠅頭ようとう細字で認めた一年一冊およそ百余ちょうの半紙本である。アレだけの著述をした上にこれだけの丹念な日記を毎日怠らず附けた気根の強さ加減は驚くに余りある。
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
その灰けむりのおさまったあとには、ふたたび水のように、つめたく静まりかえった丹下左膳の蒼い顔と、青眼にとった妖刀ようとう濡れ燕と……。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
へさきが蔵前をさすあたり、漾蕩ようとうたる水の暗さにも、千鳥の声に、首尾の松が音ずれして、くらやみから姿をさしのべ、舟を抱くばかりに思うと、ぴたりと留って動かない。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いや、そのまま占領した場所に陣していると聴くと、踏々と芝ふみ鳴らし、腰刀ようとうを抜いてひたいに当てて「軍には勝ちたるぞ、思いの外早かった」と五六度呼ばわったと云う。思う壺に入ったわけである。
賤ヶ岳合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)