蠅頭ようとう)” の例文
留学中に余があつめたるノートは蠅頭ようとうの細字にて五、六寸の高さに達したり。余はこのノートを唯一の財産として帰朝したり。
『文学論』序 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
殊に原本は十五、六行の蠅頭ようとう細字で認めた一年一冊およそ百余ちょうの半紙本である。アレだけの著述をした上にこれだけの丹念な日記を毎日怠らず附けた気根の強さ加減は驚くに余りある。
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)