“ひつかけ”の漢字の書き方と例文
語句割合
引掛100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は立ちがつて、ちやて、畳んである羽織を又引掛ひつかけた。さうして玄関にぎ棄てた下駄を穿いてす様に門をた。時は四時頃であつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
のがれねば二人とも如何なる憂目うきめに逢んも知れ難し少も早く落付おちつき給へと云ば友次郎は何か仔細しさいは分らねども然らばとて手ばや草鞋わらぢはかしむればお花も有合の草鞋を足に引掛ひつかけ二人手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
云はぬが花と実入みいりのよい大尽客だいじんきやく引掛ひつかけに、旅に出るのもありやうは、亭主の為めと夕暮の、涼風すずかぜ慕ふ夏場をかけ、湯治場たうぢば近き小田原をだはらで、宿場稼しゆくばかせぎの旅芸者、知らぬ土地故ゆゑ応頼おうらい
虫干 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)