-
トップ
>
-
にようばうら
然しいつの
間にか
人が
遠くより
見るやうに
成つた。
行き
違ふ
女房等は
額に
照られて
眠つて
居る
子を
見て
痛々敷と
思ふのであつた。
傭はれて
來た
女房等の
一人が
蓋をとつてがら/\と
掻き
廻して、それから
復た
火吹竹でふう/\と
吹いた。
焔の
赤い
舌がべろ/\と
長く
立つた。
「さうだともよ、こらおつうでも
無くつちや
育たなかつたかも
知んねえぞ、それこそ
因果見なくつちやなんねえや、なあおつう」
女房等はいつた。