“どんよ”の漢字の書き方と例文
語句割合
100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
風少し吹添って、城あるいぬいそら暗く、天満宮の屋の棟がどんより曇った。いずこともなく、はたはたと帆を打つ響きは、のぼりの声、町には黄なる煙が走ろう、数万人の形をかすめて。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ちやうど、空模樣そらもやうくも同一おなじどんよりとして、くもうごはうへ、一所いつしようごいて、時々とき/″\、てら/\とてん薄日うすびすと、ひかりけて、晃々きら/\ひかるのが、ぬまおもてまなこがあつて
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
荒いがこの風、五十鈴川いすずがわかぎられて、宇治橋の向うまでは吹くまいが、相の山の長坂を下からどっと吹上げる……これが悪く生温なまぬるくって、あかりの前じゃ砂が黄色い。月は雲の底にどんよりしている。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)