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てんじつ
許してたもれ! 許してたもれ!
暴風雨よ
疾く
天つ日の光りを
掩えかしと魔女は森の中に駆け込んだ。
天日遽かに掻き曇って、湖面の水黒く渦巻き返える。
己は
何だか、自分の周囲を包んで居た
暗澹たる雲の隙間から、遥かに
天日の光を仰いだような
心地がした。
夫婦が
活きて
再び
天日を
仰ぐのは、
唯無事に
下まで
幾階の
段を
降りる、
其ばかり、と
思ふと、
昨夜にも
似ず、
爪先が
震ふ、
腰が、がくつく、
血が
凍つて
肉が
硬ばる。