“せつた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
雪駄90.0%
雪踏10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そんな事があるものか、雪駄せつたが片つぽお倉の家にあると言ふのに、勘兵衞の足袋は兩方とも底が綺麗だぜ」
内へ帰つて見ると、うす暗い玄関の沓脱くつぬぎの上に、見慣れたばら緒の雪駄せつたが一足のつてゐる。馬琴はそれを見ると、すぐにその客ののつぺりした顔が、眼に浮んだ。
戯作三昧 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
一人いちにんは黒の中折帽のつば目深まぶか引下ひきおろし、鼠色ねずみいろの毛糸の衿巻えりまきに半面をつつみ、黒キャリコの紋付の羽織の下に紀州ネルの下穿したばき高々と尻褰しりからげして、黒足袋くろたびに木裏の雪踏せつた
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
引開ひきあけて直しける雪踏せつた鼻緒はなをいとふとき心を隱す元益が出てしづ/\進み入に店の者等は之を見ればとし三十路みそぢたらざれど人品じんぴん骨柄こつがらいやしからず黒羽二重くろはぶたへに丸の中に桔梗ききやうもんつきたる羽織はおり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)