“せった”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
雪駄81.5%
雪踏16.2%
雪履0.8%
雪沓0.8%
雪蹈0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
藍微塵あいみじんあわせに、一本独鈷どっこの帯、素足に雪駄せったを突っかけている。まげの形がきゃんであって、職人とも見えない。真面目に睨んだら鋭かろう。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
心配しんぺいするな」笑いながら、さっさと足を進めると、なるほど河岸かしッぷちの闇から、チャラリ、チャラリ……と雪踏せったる音。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
うつ向きながら小走りにあとを追ってゆくわたしの眼の前に、丸いかかとが撒き水の乾いた道を雪履せったで蹴返してゆく。雪履の閃きの薄っぺらさ。
美少年 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
腕車くるまからじきに雪沓せったばきで上って来たM先生は、浅い味噌濾みそこし帽子を冠ったまま、疲れた体を壁に倚りかかってしばらく椅子に腰かけてみたり、真中の寝台にひじを持たせなどして
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
どの舟もどの舟も、載せられるだけ大勢の人を載せて来たので、お酌の小さい雪蹈せったなぞは見附かっても、客の多数の穿いて来た、世間並の駒下駄こまげたは、鑑定が容易に附かない。
百物語 (新字新仮名) / 森鴎外(著)