“すりつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
擦付29.4%
摺付29.4%
摺着23.5%
摺附5.9%
擦着5.9%
擦附5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼はこの長者のくるしめるをよそに見かねて、貫一が枕に近く差寄りてうかがへば、涙の顔をしとね擦付すりつけて、急上せきあげ急上げ肩息かたいきしてゐたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
いっその事二人共に死んで仕舞おうかと云って居る処へ、夫が来たので左右へ離れて、ぴったり畳へかしら摺付すりつけて山平お照も顔をげ得ません。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
その思いをするのが可厭いやさに、いろいろに悩んだんだが、ければ摺着すりつく、過ぎれば引張ひっぱる、逃げれば追う。形が無ければ声がする……ピイピイ笛は攻太鼓せめだいこだ。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
字では月草とも書いて露草の露と対照させているが、事実は衣に摺附すりつけることが出来るから附き草で、それ故にまたウツシグサとも呼ばれていたのである。今でも女の児がこの花の色を。
飜然ひらりと縁を切って走込むばかりのいきおい——小芳の方が一目先へ御見の済んだ馴染なじみだけ、この方が便りになったか、薄くお太鼓に結んだ黒繻子のその帯へ、擦着すりつくように坐って
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「父さん、お舟——」と長ちやんは叔父さんのそばへ行つてからだ擦附すりつけた。
出発 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)