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摺付
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すりつ
ふりがな文庫
“
摺付
(
すりつ
)” の例文
「どうも申訳が
御在
(
ござい
)
ません。どうぞ御勘弁を……。」とばかり前髪から滑り落ちる
簪
(
かんざし
)
もそのままにひたすら
額
(
ひたい
)
を畳へ
摺付
(
すりつ
)
けていた。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
寧
(
いっ
)
その事二人共に死んで仕舞おうかと云って居る処へ、夫が来たので左右へ離れて、ぴったり畳へ
頭
(
かしら
)
を
摺付
(
すりつ
)
けて山平お照も顔を
挙
(
あ
)
げ得ません。
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
重太郎は
燐寸
(
まっち
)
を
有
(
も
)
っていた。
有合
(
ありあ
)
う枯枝や落葉を積んで、手早く燐寸の火を
摺付
(
すりつ
)
けると、
溌々
(
ぱちぱち
)
云う音と共に、
薄暗
(
うすぐろ
)
い煙が渦巻いて
颺
(
あが
)
った。つづいて紅い
火焔
(
ほのお
)
がひらひら動いた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
女はわたくしが上着をきかけるのを見て、後へ廻り
襟
(
えり
)
を折返しながら肩越しに頬を
摺付
(
すりつ
)
けて、「きっとよ。」
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
と
面
(
おもて
)
を土に
摺付
(
すりつ
)
けられ苦しいから
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
慶三は
矢庭
(
やにわ
)
に掛蒲団を剥ぎのけた後、眼を皿のようにして白い
敷布
(
シイツ
)
の上から何物かを捜し出そうとするらしく
稍
(
やや
)
暫く
瞳子
(
ひとみ
)
を据えた後、
頻
(
しきり
)
に鼻を
摺付
(
すりつ
)
けて物の
臭
(
におい
)
でもかぐような挙動をした。
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
摺
漢検準1級
部首:⼿
14画
付
常用漢字
小4
部首:⼈
5画
“摺付”で始まる語句
摺付木
摺付々々