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			卯平はそれと
共に
其の
乾燥した
肌膚が
餘計に
荒れて
寒冷の
氣が
骨に
徹したかと
思ふと
俄に
手の
自由を
失つて
來たやうに
自覺した。
 
			
		 
		
			わが
國名は「ニホン」または「ニツポン」である。
外人は
思ひ/\に
勝手な
稱呼を
用ゐてゐるが、それは
外人の
自由である。
 
		
	 
	
	
		
		
			これでも藝能があるんだ、幾ら
社會がせゝこましくなつてゐると謂つても、俺の生活する
領分くらゐ殘してあるだらう、然うよ、そして
世間を廣くして、
自曲の空氣を吸ふことにしやう。