“しらはり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
白張94.7%
白樺5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それが漸次しだいちかづくと、女の背におぶはれた三歳みっつばかりの小供が、竹のを付けた白張しらはりのぶら提灯ぢょうちんを持つてゐるのだ。
雨夜の怪談 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
ところへ大きなたけしやくもある白張しらはり提灯ちやうちんつるさがつてります、其提灯そのちやうちんわりには蝋燭ろうそくほそうございますからボンヤリして、うも薄気味うすきみの悪いくらゐなん陰々いん/\としてります。
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
枝という枝は南向に生延はえのびて、冬季に吹く風のつよさも思いやられる。白樺しらはりは多く落葉して、高く空に突立ち、細葉の楊樹やなぎうずくまるように低く隠れている。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
よんどころなく、夫婦は白樺しらはりの樹の下をって、美しい葉蔭に休みました。これまで参りましても、夫婦は互に打解けません。源はお隅を見るのが苦痛で、お隅はまた源を見るのが苦痛です。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
馬は最早もう狂気です。牝馬の恋しさに目もくらんで、お隅を乗せていることも忘れて了う。やがて一振、力任せに首を振ったかと思うと、白樺しらはりの幹に繋いであった手綱はポツリと切れる。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)