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しぐれえのき
橋のあつたのは、
市を
少し
離れた
処で、
堤防に
松の
木が
並むで
植はつて
居て、
橋の
袂に
榎の
樹が
一本、
時雨榎とかいふのであつた。
橋のあったのは、
市を少し離れた処で、
堤防に松の木が並んで
植っていて、橋の
袂に
榎が一本、
時雨榎とかいうのであった。
その時はこの
時雨榎の枝の両股になってる処に、
仰向に寝転んでいて、烏の
脛を
捕えた。
其時はこの
時雨榎の
枝の
両股になつてる
処に、
仰向に
寝転んで
居て、
烏の
脛を
捕へた、それから
畚に
入れてある、あのしめぢ
蕈が
釣つた、
沙魚をぶちまけて、
散々悪巫山戯をした
揚句が