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さんぼうほんぶ
又二
里ばかり
大蛇の
畝るやうな
坂を、
山懐に
突当つて
岩角を
曲つて、
木の
根を
繞つて
参つたが
此処のことで
余りの
道ぢやつたから、
参謀本部の
絵図面を
開いて
見ました。
参謀本部編纂の
地図を
又繰開いて
見るでもなからう、と
思つたけれども、
余りの
道ぢやから、
手を
触るさへ
暑くるしい、
旅の
法衣の
袖をかゝげて、
表紙を
附けた
折本になつてるのを
引張り
出した。