“さいもん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:サイモン
語句割合
祭文55.9%
柴門23.5%
寨門14.7%
彩紋2.9%
綵紋2.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「でろでろ祭文さいもん」や「居合抜き」「どっこいどっこい」の賭博かけもの屋から「銅の小判」というような、いかもの屋までも並んでいる。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「大事にもなんにも、浄瑠璃や祭文さいもんで聞くお半と長右衛門が逃げ出したのなんぞより事が大きいでがすから、町の役人たちも騒ぎました」
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
両国の野天講釈や祭文さいもんで聞きおぼえた宮本無三四むさしや岩見重太郎や、それらの武勇譚が彼の若い血を燃やして、清水山の妖怪探索を思い立たせた。
半七捕物帳:43 柳原堤の女 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
村の或家さ瞽女ごぜがとまったから聴きにゆかないか、祭文さいもんがきたから聴きに行こうのと近所の女共が誘うても、民子は何とか断りを云うて決して家を出ない。
野菊の墓 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
鴎外はこの祭文さいもんを太子一千三百年遠諱記念の式場において、美術院長の資格で読み上げたことになっている。
「どうして、彼が、拙者の迎えぐらいで出て参るものですか。——君ご自身、彼の柴門さいもんをたたいて、親しくお召し遊ばさねばだめでしょう」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
父は小坪に柴門さいもんを閉じ、城市の喧塵けんじんを避けて、多日しばらく浩然の気を養う何某なにがしとかやいえる子爵なり。
金時計 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
やがて岡の家——孔明の廬たる柴門さいもんへようやくたどりついた。柴を叩いて、先生ありやと、先日の童子に在否を訊ねると、
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「コノ日、天気晴朗ニシテ、空ニ一点ノ雲無ク、すなはチ一瓢ヲ携ヘテ柴門さいもんヲ出ヅ……」
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
もしお暇だったら柴門さいもんを叩いてくれ。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼方に魏延の一軍が見えたことも懸念になったし、なお彼をたじろがせたものは、近の穀倉や寨門さいもんに添うておびただしく枯れ柴の積んであることだった。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
翌晩。——寨門さいもんを出ていった蛮将は、幾手にも分れて、待ち伏せていた。昼間のうちに、孔明の偽使者をつかって、董荼奴と阿会喃へ呼びだしをかけていたのである。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかしその後は、刀、弓、げきほこなどを寨門さいもんに植え並べ、陸上の陣稽古げいこ、水上における舟いくさの教練など、いや朝夕の規律まで、前よりもはるかに厳しい。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「仕方がねえ。山じゅうの寨門さいもんを堅固に閉めておいて、てめえ、二龍山へ一ト走り行って来い」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それでも典韋は、寨門さいもんを死守して、仁王のごとく突っ立っていた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
実生活の圧迫を逃れたわが心が、本来の自由にね返って、むっちりとした余裕を得た時、油然ゆうぜんみなぎり浮かんだ天来てんらい彩紋さいもんである。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
綵紋さいもんのあるこの雅器は、広く声価を得て今日に及んでいる。
苗代川の黒物 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)