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きよくまち
此のまゝだと、もう
一音信の
料金を、と
言ふのであつた。たしか、
市内は
一音信金五錢で、
局待の
分ともで、
私は
十錢より
預つて
出なかつた。
「この
電報を
打つて
來た。
巖谷の
許だ、
局待にして、
返辭を
持つて
歸るんだよ。
急ぐんだよ。」で、
局で、
局待と
言ふと、
局員が
字數を
算へて、
局待には
二字分の
符號がいる。
そこで
先生の
草がきを
見ると「ヰルナラタヅネル」
一字のことだ。
私は
考一考して
而して
辭句を
改めた。「ヰルナラサガス」
此れなら、
局待の
二字分がきちんと
入る、うまいでせう。