“かげつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
箇月36.4%
花月27.3%
夏月18.2%
個月9.1%
9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
下士族は出入しゅつにゅう共に心に関して身を労する者なれば、その理財の精細せいさいなること上士の夢にも知らざるもの多し。二人扶持ににんぶちとは一箇月かげつ玄米げんまいなり。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
ご飯にたっぷりしみこませただしの味が「なんしょ、酒しょが良う利いとおる」のをフーフー口とがらせて食べ、仲良く腹がふくれてから、法善寺の「花月かげつ」へ春団治はるだんじの落語をきに行くと
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「参考の為めに話して聞かせようか。入学試験に出るかも知れないよ。車胤しゃいん、貧にして常に油を得ず。夏月かげつ練嚢れんのうに数十の螢火けいかを盛り、書をてらして読む。夜を以て日に継ぐ。うだね?」
嫁取婿取 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
わたくしは舊幕府の家來で、十七の時に京都二でうの城(今の離宮)の定番ぢやうばんといふものになつて行つた。江戸を立つたのが、元治ぐわんぢ元年の九月で、例の蛤御門はまぐりごもんたゝかいのあつてから二個月かげつのちの事である。
兵馬倥偬の人 (旧字旧仮名) / 塚原渋柿園塚原蓼洲(著)
着替や頭髪あたまの物などと一緒に持っていた幾許いくらかの金も、二三かげつの東京見物や、月々の生活費に使ってしまってから、手が利くところから仕立物などをして、小遣をかせいでいた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)