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かくやす
あれは
独逸の
方から
新荷が
着いたばかりだという
種々な
玩具と
一緒に、あの
丸善の二
階に
並べてあったもので、
異国の
子供の
風俗ながらに
愛らしく、
格安で、しかも
丈夫に
出来ていた。
何うした
事か、
今年は
夏帽子が
格安だつたから、
麥稈だけは
新しいのをとゝのへたが、さつと
降つたら、さそくにふところへねぢ
込まうし、
風に
取られては
事だと……ちよつと
意氣にはかぶれない。
額安に、手取早く味覚の満足を
購ふといつた風になり勝なので、感覚の
敏さが
段々と
弛んで、
終ひには
痺れかゝつて来るのではあるまいか。