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おもひが
左右を
見定めて、
鍋を
片手に
乗らうとすると、
青森行——二
等室と、
例の
青に
白く
抜いた
札の
他に、
踏壇に
附着いたわきに、一
枚思懸けない
真新い
木札が
掛つて
居る……
然らばこの景既に夢ならず!
思掛けずもここに来にける吾身もまた夢ならず!
但夢に欠く者とては宮
一箇のみ。
何うも
御樣子が
肖ておいでなさいます、と
今申せば
申しますやうなものの、
餘りおほきくお
成りなさいましたで、まるで
以て、
思掛けずでござりました。
失禮ながら、お
幾つに。