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おほやね
餘りですから、
主人が
引返さうとした
時です……
藥賣の
坊主は、
柄のない
提灯を
高々と
擧げて、
椎の
樹の
梢越しに、
大屋根でも
見るらしく、
仰向いて
それだつて、
小原女が
賣りに
來るのを
待つて
居られもしますまい。
可うがす、
肩をお
貸し
申しませう。これへ
乘つて、
廂へかゝつて、
大屋根へお
上んなさい。
建物で
取𢌞はした
此の
一棟の
其池のある
上ばかり
大屋根が
長方形に
切開いてあるから
雨水が
溜つて
居る。