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うへさま
天一坊儀
上樣の
御落胤に相違なしと存じ奉つり
先達て此段上聞に
達し候へ共
退きて
倩々考へ候へば
聊か
不審の事も御座候故御
證據は
慥の御品ながら當人は
若紛らはしき者にやと心付候へ共
重役共一同申上候儀を
「盜つたのは物もあらうに、
上樣お聲掛りで勘定奉行から引渡された千兩箱が二つ」
進申樣天一坊樣御身分の儀は
只今の書付にて
委しく御承知ならんが御腹の儀御
不審御
尤ともに存候されば拙者より
委細申上べし
抑當將軍樣
紀州和歌山加納將監方に御部屋住にて渡らせ給ふ
節將監妻の
召使ふ
腰元澤の
井と申
婦女の
上樣御情懸させられ御胤を