“いっさつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一札41.9%
一颯19.4%
一拶19.4%
一冊9.7%
一刷3.2%
一刹3.2%
一殺3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そうとも、そうだとも、やっぱりお国のためだ」わかい男を見て、「お国のために、一札いっさつをとるのだ、さあ、書きやがれ」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
俄然がぜん、士卒はさわぎ始めた。こう来ればこう出る当然な歩みをして来ながら、われにもあらぬ眼をみはって、一颯いっさつ、冷風に吹かれるや否、惣勢そうぜい足なみをすくみ止めた。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
最上の戦には一語をも交うる事を許さぬ。拈華ねんげ一拶いっさつは、ここを去る八千里ならざるも、ついに不言にしてまた不語である。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
お金が小やかましいので、日用品以外の物と云ったら、自分の銭で買う身のまわりの物まで遠慮しなければならない中を、恭二がお君のために買って来てくれたたった一冊いっさつの雑誌である。
栄蔵の死 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
梭の音ははたとやんで、女のまぶたは黒きまつげと共にかすかにふるえた。「凶事か」と叫んで鏡の前に寄るとき、曇は一刷いっさつに晴れて、河も柳も人影も元の如くにあらわれる。梭は再び動き出す。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
天下の興廃は叡山一刹いっさつの指揮によって、夜来やらい日来にちらいに面目を新たにするものじゃと思いめたように、娓々びびとして叡山を説く。説くはもとより青年に対する親切から出る。ただ青年は少々迷惑である。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
たれか知ろう、この舞手まいてがたったいま、一殺いっさつ利剣りけんをもって、幾生いくしょうのいのちを救って出て来たものとは。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)