“一颯”の読み方と例文
読み方割合
いっさつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
元祐はおどろいて座を立って室外へ顔を出した。見れば、夫人は隣室からたずさえて出た薙刀なぎなた一颯いっさつの下に、竹井惣左衛門を手討ちにしていたのである。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
俄然がぜん、士卒はさわぎ始めた。こう来ればこう出る当然な歩みをして来ながら、われにもあらぬ眼をみはって、一颯いっさつ、冷風に吹かれるや否、惣勢そうぜい足なみをすくみ止めた。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
貝を用うべきところであるが、貝の音も松明たいまついましめてあるものらしく、浅野弥兵衛が、秀吉から金采きんさいを受けて、秀吉に代ってそれを一颯いっさつ、二颯、三颯——打ち振った。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)