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一拶
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いっさつ
ふりがな文庫
“
一拶
(
いっさつ
)” の例文
場合が場合だから、そんな深遠な人生問題、むしろ哲学的な命題について
一拶
(
いっさつ
)
をくらおうとは、夢にも思わなかったのである。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
最上の戦には一語をも交うる事を許さぬ。
拈華
(
ねんげ
)
の
一拶
(
いっさつ
)
は、ここを去る八千里ならざるも、ついに不言にしてまた不語である。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
昔は一国の帝王が法王の
寛恕
(
かんじょ
)
を請うために、乞食の如くその
膝下
(
ひざもと
)
に伏拝した。又或る仏僧は皇帝の愚昧なる一言を聞くと、
一拶
(
いっさつ
)
を残したまま
飄然
(
ひょうぜん
)
として竹林に去ってしまった。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
場合が場合だから、そんな深遠な人生問題、むしろ哲学的な命題について
一拶
(
いっさつ
)
をくらおうとは、夢にも思わなかったのである。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
手と目より偉大なる自然の制裁を親切に感受して、石火の
一拶
(
いっさつ
)
に本来の面目に
逢着
(
ほうちゃく
)
せしむるの微意にほかならぬ。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
「
阿呍
(
あうん
)
の間を
截
(
き
)
る
一拶
(
いっさつ
)
の気合、まさしく奥義の御伝授と拝察つかまつりました、御流儀の秘伝まさに会得いたしてござります、かたじけのう……」
似而非物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
婆さんはまた驚いて出て来る。そうしてまた例のごとくヒヤ、サーと
窘
(
たしな
)
めて帰って行くと、先生は婆さんの
一拶
(
いっさつ
)
にはまるで
頓着
(
とんじゃく
)
なく、
餓
(
ひも
)
じそうに本を開けて、うんここにある。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
追い懸けて来る過去を
逃
(
の
)
がるるは
雲紫
(
くもむらさき
)
に立ち
騰
(
のぼ
)
る
袖香炉
(
そでこうろ
)
の
煙
(
けぶ
)
る影に、
縹緲
(
ひょうびょう
)
の楽しみをこれぞと
見極
(
みきわ
)
むるひまもなく、
貪
(
むさ
)
ぼると云う名さえつけがたき、眼と眼のひたと行き逢いたる
一拶
(
いっさつ
)
に
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
拶
常用漢字
中学
部首:⼿
9画
“一”で始まる語句
一
一人
一寸
一言
一時
一昨日
一日
一度
一所
一瞥