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いせや
伊勢屋の男共は見付
扨こそ盜人は此坊主ならんと大勢にて
難なく旅僧を捕へたり三郎
兵衞は家内を改め見るに金五百兩
有ねば金は何所へ隱せしぞと彼の旅僧を
出す事ゆゑ忠八
此金算段せられよと申ければ忠八は
打悦び其金子
必ず
調達致すべし
私し一ツの
工夫有とて清三郎に
耳語頼み
其夜油町新道伊勢屋三郎兵衞方へ
忍び入て金五百兩を
雲源と申十五
歳の
時出家仕つり候へども
幼少より
盜み
心あり
成人なすに
付尚々相募り
既に一
昨夜伊勢屋へ
忍び
入て金五百兩
盜み取其隣の
金屋とやらんへも
忍入て
盜み
致し出る處を