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鼻息
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びそく
ふりがな文庫
“
鼻息
(
びそく
)” の例文
それが去年、硫黄島から解かれて帰洛してからは、がぜん羽振りをふるい出し、公卿といえ武家といえ、彼の
鼻息
(
びそく
)
を怖れぬはないほどだった。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
課長の
鼻息
(
びそく
)
を
窺
(
うかが
)
わなければならん。そんな事は我々には出来んじゃ有りませんか
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
予は叫ばむとするに声
出
(
い
)
でず、
蹶起
(
はねお
)
きて逃げむと
急
(
あせ
)
るに、
磐石一座
(
ばんじやくいちざ
)
夜着を圧して、身動きさへも
得
(
え
)
ならねば、我あることを気取らるまじと、
愚
(
おろか
)
や
一縷
(
いちる
)
の
鼻息
(
びそく
)
だもせず、心中に仏の
御名
(
みな
)
を
唱
(
とな
)
へながら
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「皇統の選びなどは、わが家のことに過ぎん。——
後嵯峨
(
ごさが
)
このかた、九十年もの間、幕府の
鼻息
(
びそく
)
を恐れて、いちいちそれに問うて来たなど、愚の限りぞ」
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
といっても、常備二百人以上はいる警兵のあらましは、清高の家来であり、また
地方
(
じかた
)
武士にしろその十中八九までは、鎌倉の
鼻息
(
びそく
)
をおそれる者でしかない。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
と、勝家の
憐愍
(
れんびん
)
にすがるしかなかった。しかし、彼はなお一つの献策をもって、勝家の
鼻息
(
びそく
)
をうかがい、功をつないで、恩賞の約を追うことを忘れなかった。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、あらそって、彼の
鼻息
(
びそく
)
に
媚
(
こ
)
び、
賄賂
(
わいろ
)
をはこぶなど、浅ましいばかりな繁栄なのだった。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
左の手で小次郎の
鼻息
(
びそく
)
をそっと触れてみた。微かな呼吸がまだあった。武蔵はふと眉を開いた。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ま。くちおしい限りではございませぬか。万乗の大君をして、さまで幕府の
鼻息
(
びそく
)
に
阿
(
おもね
)
るような策をおすすめ申さいでも、毎日の公卿集議には、もそッとほかによいお智恵も」
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
如才
(
じょさい
)
ない政治家だの民衆の
鼻息
(
びそく
)
ばかり
窺
(
うかが
)
っている大臣などは、いつの世でも民衆は見ていたくない。民衆の本能は、高い
廟堂
(
びょうどう
)
にたいして、やはり
土下坐
(
どげざ
)
し、礼拝し、
歓呼
(
かんこ
)
して仰ぎたいものである。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“鼻息”の意味
《名詞》
鼻でする呼吸。
(出典:Wiktionary)
鼻
常用漢字
小3
部首:⿐
14画
息
常用漢字
小3
部首:⼼
10画
“鼻息”で始まる語句
鼻息前