鬼婆おにばばあ)” の例文
けれどもいまにもうしろから鬼婆おにばばあ襟首えりくびをつかまれそうながして、ばかりわくわくして、こしがわなわなふるえるので、あし一向いっこうすすみません。
安達が原 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
これと同時に幾多の殺人事件がって湧いたと云う。鬼婆おにばばあが殺されたと云う。聞く事毎に人を騒がす事ばかりなので、ある者は嘘だろうと云い消した。けれども、事実は争われぬ。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「ははあ、あれが安達あだちはら鬼婆おにばばあだ、よく見ておけよ、孫八」
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そのこえくと、ぼうさんは、さてこそ鬼婆おにばばあっかけてたとがたがたふるえながら、みみをふさいでどんどんして行きました。そしてこころの中で悪鬼あくきけの呪文じゅもん一生懸命いっしょうけんめいとなえていました。
安達が原 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
鬼婆おにばばあこえがずんずんちかくなって、やがておこったこえ
安達が原 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)