高野山かうやさん)” の例文
大正十四年八月に、比叡山ひえいざんのアララギ安居会あんごくわいに出席して、それから先輩、友人五人の同行どうぎやう高野山かうやさんにのぼつた。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
かれ高野山かうやさんせきくものだといつた、年配ねんぱい四十五六しじふごろく柔和にうわな、何等なんらえぬ、可懐なつかしい、おとなしやかな風采とりなりで、羅紗らしや角袖かくそで外套ぐわいたうて、しろのふらんねるの襟巻えりまきめ、土耳古形とるこがたばうかむ
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
大正十四年八月四日の朝奈良の宿を立つて紀伊の国高野山かうやさんに向つた。吉野よしの川を渡り、それから乗合自動車に乗つたころは、これまでの疲れが幾らか休まるやうな気持でもあつた。
仏法僧鳥 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)