高千穂たかちほ)” の例文
旧字:高千穗
門脇かどわき中学校三年生の早苗さんと、高千穂たかちほ小学校五年生の壮二君とは、時間が来ると、いつものように、自動車でやしきを出ました。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
高千穂たかちほ槵触峯くしぶるみねの旧伝を否定して、人類遷移の法則を合理化しようとすれば、どうしてもこうした中世式な考えかたを見習わなければならない。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
中でも日向の高千穂たかちほは天孫降臨の地として古い物語をち、日本の歴史にとって由緒ゆいしょの深い土地であります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
命たちはしまいに、日向ひゅうがの国の高千穂たかちほの山の、串触嶽くしふるだけというけわしい峰の上にお着きになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
皇孫日向の高千穂たかちほの峯に天降あまくだり給ひしにかたどるの心ならんと嘿翁いへり。なほせつありしがはぶく。
吉野よしのを旗艦として、高千穂たかちほ浪速なにわ秋津洲あきつしまの第一遊撃隊、先鋒せんぽうとして前にあり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
皇孫彦火瓊瓊杵尊ひこほのににぎのみことが、天照大神あまてらすおほみかみの神勅を奉じ、日向ひうが高千穂たかちほ槵触くしふるたけに降臨されてから御三代の間は、九州の南方に在つて、国土を経営し、民力の涵養かんやうはかると共に、周囲の者どもを帰服せしめ
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
日向ひゅうが高千穂たかちほに天からりたということを承認すれば問題にならぬけれども、それがあり得べからざることとすれば、やはり日向などで船を仕立てて北上したことが想像される。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
命は高千穂たかちほの宮というお宮に、とうとう五百八十のお年までお住まいになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
ついで三番めの若御毛沼命わかみけぬのみことも、お母上のお国の、海の国へ行っておしまいになり、いちばん末の弟さまの神倭伊波礼毘古命かんやまといわれひこのみことが、高千穂たかちほの宮にいらしって、天下をお治めになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)