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首縊
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くびくく
ふりがな文庫
“
首縊
(
くびくく
)” の例文
その堤の松には
首縊
(
くびくく
)
りの松などという
忌
(
いや
)
な名の附いていたのもあった。野犬が巣を作っていて、しばしば往来の人を
咬
(
か
)
んだ。
追
(
お
)
い
剥
(
は
)
ぎも出た。
三崎町の原
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
イヤだねエ、二つや三つの子が
首縊
(
くびくく
)
りや身投げをするものか。物好きに石を踏台にして井戸を覗いて、グラリとやったのさ。
銭形平次捕物控:108 ガラッ八手柄話
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
少し話して行けと云うたら、また
近所
(
きんじょ
)
に
鮭
(
さけ
)
が出来たからと云うて、急いで帰った。鮭とは、ぶら下がるの謎で、
首縊
(
くびくく
)
りがあったと云うのである。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
しかしそれ等の話の中でも最も僕を動かしたものは「御維新」前には行き倒れとか
首縊
(
くびくく
)
りとかの死骸を
早桶
(
はやをけ
)
に入れ、その又早桶を
葭簀
(
よしず
)
に包んだ上
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「よく人の云う事を疑ぐる男だ。——もっとも問題は
団栗
(
どんぐり
)
だか
首縊
(
くびくく
)
りの力学だか
確
(
しか
)
と分らんがね。とにかく寒月の事だから鼻の恐縮するようなものに違いない」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
元からよくない所なので、あの
柏
(
かしわ
)
の木も、
此度
(
こんど
)
で
丁度
(
ちょうど
)
三人目の
首縊
(
くびくく
)
りだ、初め
下
(
さが
)
った時、一の枝を切ると、また二の枝に下ったので、それも切ると、
此度
(
こんど
)
は実に三の枝でやったのだ
死神
(新字新仮名)
/
岡崎雪声
(著)
赤坂離宮横、喰違い見附の向うの土手には、
首縊
(
くびくく
)
りの松という松があった。実際よく死んだらしい。太い枝が、土手の傾斜に添うて、人間の
丈
(
たけ
)
より少し高く、工合よく突き出ていた。
四谷、赤坂
(新字新仮名)
/
宮島資夫
(著)
ある時は赤々と日のそそぎやまぬ
首縊
(
くびくく
)
りの家を見
恍
(
ほ
)
れてゐたり
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
しかし昔の
希臘人
(
ギリシャじん
)
は宴会の席で
首縊
(
くびくく
)
りの真似をして余興を添えたと云う話しがある。一人が台の上へ登って縄の結び目へ首を入れる途端に
他
(
ほか
)
のものが台を蹴返す。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
最初は
小火
(
ぼや
)
や
首縊
(
くびくく
)
りを嗅ぎ廻ったり、すりやかっ払いを追い廻したり、それが次第に手に入って来ると初めて大きな犯罪事件や、文化芸術の記事や、名士の訪問や、政治経済の方面や
奇談クラブ〔戦後版〕:14 第四次元の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
北は水道橋に沿うた高い
堤
(
どて
)
で、大樹が生い茂っていた。その堤の松には
首縊
(
くびくく
)
りの松などという
忌
(
いや
)
な名の付いていたのもあった。野犬が巣を作っていて、しばしば往来の人を
咬
(
か
)
んだ。
追剥
(
おいは
)
ぎも出た。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
土手の上に松は何十本となくあるが、そら
首縊
(
くびくく
)
りだと来て見ると必ずこの松へぶら下がっている。年に二三
返
(
べん
)
はきっとぶら下がっている。どうしても
他
(
ほか
)
の松では死ぬ気にならん。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
首
常用漢字
小2
部首:⾸
9画
縊
漢検1級
部首:⽷
16画
“首縊”で始まる語句
首縊松
首縊幽霊