食慾しよくよく)” の例文
そのうち今太郎君は、むき出しになつてゐる両方の手が、鱶の食慾しよくよくをそゝり立てはしまいかと気遣つたので、そつとうしろの方へまはしました。
動く海底 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
いわしあぶらがぢり/\とれてあをほのほつた。いわしにほひうすけむりとも室内しつない滿ちた。さうしてそのにほひがおしな食慾しよくよくうながした。おしな俯伏うつぶしたなりで煙臭けぶりくさくなつたいわしべた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)