韓非子かんぴし)” の例文
桃太郎猿蟹合戦さるかにかっせんたぐいも珍らしからざるべく、また『韓非子かんぴし』『荘子そうじ』などにでたるも珍らしからざるべければ、日本支那のはしばらさしおきて印度の古話をあつつづ
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
韓非子かんぴし商鞅しょうおう李斯りしらの英傑が刑名法術の政策を用いたからであって、その二世にして天下を失うに至ったのは、書を焚き儒をあなにしたに基づくことは、人の知るところであるが
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
それは邯鄲かんたんの歩みを学ばないうちに寿陵の歩みを忘れてしまい、蛇行匍匐だこうほふくして帰郷したと云う「韓非子かんぴし」中の青年だった。今日こんにちの僕は誰の目にも「寿陵余子」であるのに違いなかった。
歯車 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
岡本况斎、名は保孝ほうこう、通称は初め勘右衛門かんえもん、後縫殿助ぬいのすけであった。拙誠堂せつせいどうの別号がある。幕府の儒員に列せられた。『荀子じゅんし』、『韓非子かんぴし』、『淮南子えなんじ』等の考証を作り、かたわら国典にも通じていた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
それは邯鄲かんたんの歩みを学ばないうちに寿陵の歩みを忘れてしまひ、蛇行匍匐だかうほふくして帰郷したと云ふ「韓非子かんぴし」中の青年だつた。今日の僕は誰の目にも「寿陵余子」であるのに違ひなかつた。
歯車 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
その頃僕は彼の性質を刻薄だと思っていた。それには、彼が漢学の素養があって、いつも机の上に韓非子かんぴしを置いていたのも、あずかって力があったのだろう。今思えば刻薄という評は黒星にあたっていない。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
韓非子かんぴし』は主道、揚権ようけん解老かいろう喩老ゆろうの諸篇がいといった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)