“かんぴし”の漢字の書き方と例文
語句割合
韓非子100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
岡本况斎、名は保孝ほうこう、通称は初め勘右衛門かんえもん、後縫殿助ぬいのすけであった。拙誠堂せつせいどうの別号がある。幕府の儒員に列せられた。『荀子じゅんし』、『韓非子かんぴし』、『淮南子えなんじ』等の考証を作り、かたわら国典にも通じていた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
それは邯鄲かんたんの歩みを学ばないうちに寿陵の歩みを忘れてしまひ、蛇行匍匐だかうほふくして帰郷したと云ふ「韓非子かんぴし」中の青年だつた。今日の僕は誰の目にも「寿陵余子」であるのに違ひなかつた。
歯車 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
その頃僕は彼の性質を刻薄だと思っていた。それには、彼が漢学の素養があって、いつも机の上に韓非子かんぴしを置いていたのも、あずかって力があったのだろう。今思えば刻薄という評は黒星にあたっていない。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)