青髭あおひげ)” の例文
青髭あおひげのランドルーが多数の被害者をガラス工場のや田舎の別荘のストーヴで焼いた話などは、あなた方も多分御聞き及びでしょう。
湖畔亭事件 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ただ違うところは、顎に青髭あおひげがあることと、天鵞絨びろうどの黒い上衣のかわりに、絵具だらけのあさ仕事着ブルーズを着ているところだけだった。
かくて、青髭あおひげはその妻たちから打たれ、ポリフェモスはみずから善意をもって眼をえぐって、アシスとガラテアとの幸福のために身を犠牲にした。
想い出して恋しさに、時々、忠太郎は、この——この面に青髭あおひげのある年になっても、餓鬼のように顔も知らねえ女親が恋しい——恋しいのでござんす。
瞼の母 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
ほかに出来る目途あてもないけれども、仲の町の井桁伊勢屋いげたいせやから来るお侍の、青髭あおひげの生えた色の白いせいの高いお客は、来て/\来抜くが、わちきはやーでなりまへんから
薄く青髭あおひげが生えて居りまして、つや/\しい大結髪おおたぶさで、けんぽう行義ぎょうぎあられの上下かみしもに、黒斜子くろなゝこの紋附を着、結構な金蒔絵きんまきえ印籠いんろうを下げ、茶柄ちゃづか蝋鞘ろざやの小脇差を差して居りますから