陰陽師おんようじ)” の例文
しかも重く慎まねばならぬことを陰陽師おんようじから告げられたために、自身で伺えないことのお詫びの挨拶あいさつを持って代理が京から来た。
源氏物語:48 椎が本 (新字新仮名) / 紫式部(著)
何処いずこの町とも分らぬが、或処で寂心が偶然ふと見やると、一人の僧形の者が紙の冠を陰陽師おんようじの風体を学び、物々しげにはらえするのが眼に入った。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
また朝日の阿闍梨あじゃりという僧が、安倍あべぼうという陰陽師おんようじの家に忍び込んでいて、発覚してげ出そうとするところを見つけて
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
幸いに、死者や民家の被害は、思ったほどでもなかったと分って、数日の後には、人々もややほっとして、災後の始末に奔命ほんめいしていたが、陰陽師おんようじ安倍泰親あべのやすちか
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
阿波介あわのすけという陰陽師おんようじが法然に給仕して念仏をしていたが、或時法然がこの男を指して
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
秋立つや何に驚く陰陽師おんようじ
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
陰陽師おんようじ
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
陰陽師おんようじなども多くは女の霊がいていると占っているので、そうかもしれぬと大臣は思い、他へ憑きものを移そうとしてもなんら物怪もののけの手がかりが得られないのに困り
源氏物語:36 柏木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
市人しじんの闘鶏に熱するや、かならず戦乱あり、などといって、やかましく凶兆を説く陰陽師おんようじもあるが、堂上ですらしていることなので、検非違使の取り締りも、ききめはない。
陰陽師おんようじどもは場所を変えて謹慎をせねばならぬと進言するので、院外の離れた家へ移すのは気がかりに思召され、明石あかし夫人の北の町の一つの対の屋へ淑景舎の病室は移されることになった。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)