降込ふりこ)” の例文
彼は洋燈らんぷ持出もちだして庭をてらすと、足跡はたしかに残っているが、人の形は見えぬ。なお燈火あかり彼地此地あちこちへ向けているうちに、雪は渦巻いて降込ふりこんで来た。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
空は同一おなじほど長方形に屋根を抜いてあるので、雨も雪も降込ふりこむし、水がたまつてれて居るのに、以前女髪結おんなかみゆいが住んで居て、取散とりちらかした元結もっといつたといふ
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
火桶ひおけおもてそむけると、机に降込ふりこんだ霞があった。
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
火桶ひをけおもてそむけると、つくゑ降込ふりこんだあられがあつた。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)