附髷つけまげ)” の例文
其れは別段驚くべき事でもないが、その床屋の店飾棚ヸトランことごとかつら附髷つけまげ、前髪の添毛そへげで満たされて居るのを見ると、それ等の需要の多い事がわかる。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
先日のいきさつから附髷つけまげを用いている事なぞは忘れてしまい、音がして頭から落ちたもののあるのに気がつかなかった。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
五百石を上地じやうちし、別當は還俗げんぞくして神主になり、名も前田道臣みちおみと改め、髮の伸びるまでを附髷つけまげにして、細身の大小を差し、しきりに女を買つて歩きなぞした。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
其れだからこの附髷つけまげや帽の流行品などに浮身うきみをやつして食べる物も食べずに若じにをする独身ものもあると云ふことである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
添毛そへげをするのに一層勝手が好いからであるらしい。前に云ふのを忘れたが、髪結かみゆひの店には白髪まじりの附髷つけまげかつらまつたく白いのなどもおびたゞしくあるのである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)