間中あひだぢう)” の例文
世話せわにこそなれおんもなにもなきが、つねごろ種々さま/″\苦勞くろうをかけるうへにこの間中あひだぢうよりの病氣びやうき、それほどのことでもかりしを、何故なにゆゑうさぎて、こゝろにも所置しよちありしかもしれず
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その日自分の書斎には、梅の花がけてあつた。そこで我々は梅の話をした。が、千枝ちえちやんと云ふその女の子は、この間中あひだぢう書斎のがく掛物かけもの上眼うはめでぢろぢろ眺めながら、退屈さうに側に坐つてゐた。
東京小品 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)