長引ながび)” の例文
此一分間このいつぷんかんといつたのは、もつと長引ながび場合ばあひ顧慮こうりよしてのことであつて、大抵たいてい場合ばあひおいては二十秒間位にじゆうびようかんぐらゐ危險きけん震動しんどうをはりをげるものである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
しかしこの話には邪魔になるものは何にもないんだし、どの點から云つても、この縁談は相應ふさはしいのだから、長引ながびかす必要は少しもないぢやないか。
あんなに幸福こうふくのにじがかかった。またそれだけ下界げかいほろびるのが長引ながびくわけだ。よし、いもうとがそういうようにみんなをまもなら、わたしはいっそう根気こんきよくみんなをのろってやろう。
消えた美しい不思議なにじ (新字新仮名) / 小川未明(著)
何といふ苦惱であらう! そしてこの男は、それを長引ながびかせようと決心してゐるやうに思はれる。