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鎌鼬
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かまいたち
ふりがな文庫
“
鎌鼬
(
かまいたち
)” の例文
「お松を殺した刄物は、此處にある筈だ、若し此處に何にもなかつたら、お松は水の中で
鎌鼬
(
かまいたち
)
に逢つたとでも思はなきアなるまい」
銭形平次捕物控:016 人魚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
黒旋風
(
こくせんぷう
)
のようなものが、後ろの浜屋の天水桶の蔭から捲き起ったと見ると、米友の背後から、さながら
鎌鼬
(
かまいたち
)
のように飛びついたのです。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それは鎌いたちに違いないと人々は言っていたが、その
鎌鼬
(
かまいたち
)
という名のことで、
赤星重右
(
あかぼしじゅうう
)
のことが、どういう屋敷うちでも、口の上にのぼった。
天狗
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「
天狗
(
てんぐ
)
の
所業
(
しわざ
)
と云ってしまえばそれまでだが、いわゆる
鎌鼬
(
かまいたち
)
の
悪戯
(
いたずら
)
ではござるまいか」という説もあった。
怪異暗闇祭
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
たとえば
鎌鼬
(
かまいたち
)
の現象がかりに前記のような事であるとすれば、ほんとうの科学的研究は実はそこから始まるので、前に述べた事はただ問題の
構成
(
フォーミュレーション
)
であって
解決
(
ソリューション
)
ではない。
化け物の進化
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
▼ もっと見る
膝から
股
(
また
)
へ
真白
(
まっしろ
)
な
通草
(
あけび
)
のよう、さくり切れたは、俗に
鎌鼬
(
かまいたち
)
が
抓
(
か
)
けたと言う。間々ある事とか。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いわんや、場所も形も大きさも、いずれも寸分違わないということになれば、人間わざの及ぶところではないのである。けっきょく、これは
鎌鼬
(
かまいたち
)
の仕業だということになった。
顎十郎捕物帳:04 鎌いたち
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
古来、不可解として伝えられたる越後の七不思議は、今日ではもはや不思議ではないと知られたが、ただ、今日なお妖怪の作用に帰せられているのは
鎌鼬
(
かまいたち
)
である。この怪事が越後地方に最も多い。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
「お松を殺した刃物は、ここにあるはずだ、もしここに何にもなかったら、お松は水の中で
鎌鼬
(
かまいたち
)
に逢ったとでも思わなきゃアなるまい」
銭形平次捕物控:016 人魚の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
二つの
身体
(
からだ
)
は再びもつれ合ったが、それも長いことではない、今度は米友の方が、
鎌鼬
(
かまいたち
)
のように後ろへ走り出しました。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その後に私の問題となった他の例は「
鎌鼬
(
かまいたち
)
」と称する化け物の事である。
化け物の進化
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「ね、銭形の、こいつは
鎌鼬
(
かまいたち
)
じゃなくて、お稲荷様かも知れないぜ。主人は鳥居へ小便でも掛けたことがあるんじゃないか」
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
鎌鼬
(
かまいたち
)
は刃物を置いて行くはずはないし、番台には人が居ないにしても、奥から見通しの場所へ、ノコノコ入って来て人一人殺して行くはずはなし
銭形平次捕物控:033 血潮の浴槽
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
鎌鼬
(
かまいたち
)
なら、銭形に付くか、筋か骨に沿って曲った傷が付くから、やはり人が切ったに間違いはないね、——ところで、切口の肉は、どんな工合になっているんだ」
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「また何か
縮尻
(
しくじり
)
をやったのか、仕様のない男だ——まアいい、奉行所の方は、
鎌鼬
(
かまいたち
)
にしておこう」
銭形平次捕物控:048 お藤は解く
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「又何か
縮尻
(
しゆくじり
)
をやつたのか、仕樣の無い男だ——まア宜い、奉行所の方は、
鎌鼬
(
かまいたち
)
にして置かう」
銭形平次捕物控:048 お藤は解く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「八兄哥、血のことを気にするようじゃ、
鎌鼬
(
かまいたち
)
という見当だね。鎌鼬は傷の深い割に血の出ないものだっていうが、江戸は
上様
(
うえさま
)
のお膝元で、鎌鼬は昔から出ねえことになっているぜ」
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
お勢、俺は今日一日岡つ引ぢやないと言つた筈だ。——駒次郎は
鎌鼬
(
かまいたち
)
にやられて死んだんだよ。放つて置けば證據がないから。誰も氣がつく筈はない、勝藏は笹野の旦那にお願ひして、繩を
銭形平次捕物控:030 くるひ咲
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お勢、俺は今日一日岡っ引じゃないと言ったはずだ。——駒次郎は
鎌鼬
(
かまいたち
)
にやられて死んだんだよ。放っておけば証拠がないから、誰も気がつくはずはない、勝蔵は笹野の旦那にお願いして、縄を
銭形平次捕物控:030 くるい咲き
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「八、俺にはよく解ったよ、これは自害でなきゃ
鎌鼬
(
かまいたち
)
かも知れないよ」
銭形平次捕物控:048 お藤は解く
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「八、俺にはよく解つたよ、これは自害でなきや
鎌鼬
(
かまいたち
)
かも知れないよ」
銭形平次捕物控:048 お藤は解く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「そんな間拔けなものは殘しやしませんよ。あれは
鎌鼬
(
かまいたち
)
ですね」
銭形平次捕物控:253 猫の首環
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「若殿の金之進は、
鎌鼬
(
かまいたち
)
にやられたことにして置けば宜いのだ」
銭形平次捕物控:186 御宰籠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「すると親分、下手人は無くなりますね。まさか
鎌鼬
(
かまいたち
)
でも」
銭形平次捕物控:275 五月人形
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「今度のは、
鎌鼬
(
かまいたち
)
や自害ぢやないぜ」
銭形平次捕物控:123 矢取娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「今度のは、
鎌鼬
(
かまいたち
)
や自害じゃないぜ」
銭形平次捕物控:123 矢取娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「へエ、矢つ張り
鎌鼬
(
かまいたち
)
か何んかで?」
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ヘエ、やっぱり
鎌鼬
(
かまいたち
)
かなんかで?」
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あれは
鎌鼬
(
かまいたち
)
だな」
銭形平次捕物控:245 春宵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「すると
鎌鼬
(
かまいたち
)
かな」
銭形平次捕物控:215 妾の貞操
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“鎌鼬”の解説
鎌鼬(かまいたち)は、日本に伝わる妖怪、もしくはそれが起こすとされた怪異である。つむじ風に乗って現われて人を切りつける。これに出遭った人は刃物で切られたような鋭い傷を受けるが、痛みはなく、傷からは血も出ないともされる。
別物であるが風を媒介とする点から江戸時代の書物では中国の窮奇(きゅうき)と同一視されており、窮奇の訓読みとして「かまいたち」が採用されていた。
(出典:Wikipedia)
鎌
常用漢字
中学
部首:⾦
18画
鼬
漢検1級
部首:⿏
18画
“鎌”で始まる語句
鎌
鎌倉
鎌首
鎌足
鎌倉河岸
鎌倉殿
鎌髭
鎌田
鎌入
鎌子