錦繍きんしう)” の例文
木曾の美は秋にあり、秋の紅葉の節にあり、滿山皆なさま/″\の錦繍きんしうを着くるの時、雲に水に山に、その色彩の多きこと殆ど状するに言葉なし。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
でも、こゝには、金銀如山きんぎんやまのごとく綾羅りようら錦繍きんしう嘉肴かかう珍菓ちんくわ、ありあまつて、ほ、りないものは、お使者ししやおにたゝくととゝのへるんです、それに不足ふそくはありません。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
明州みんしうひと柳氏りうしぢよあり。優艷いうえんにして閑麗かんれいなり。ぢよとしはじめて十六。フトやまひうれひ、關帝くわんていほこらいのりてあらずしてゆることをたり。よつて錦繍きんしうはたつくり、さらまうでてぐわんほどきをなす。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)