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銹
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さび
ふりがな文庫
“
銹
(
さび
)” の例文
そうすると、すげた中身の廻りに空気が入らないから
銹
(
さび
)
が来ない。それをうまく拵えるようにさせる。又柄を削るのも難かしい。
回想録
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
僅
(
わづか
)
に
瞰
(
うかゞ
)
ひ得たり、この芙蓉の根部より
匐枝
(
ふくし
)
を出だしたる如き、宝永山の、鮮やかに黒紫色に凝固せるを、西へと落ちたる冷魂の、
銹
(
さび
)
におぼろなる弧線を引いて
霧の不二、月の不二
(新字旧仮名)
/
小島烏水
(著)
「正に一言もねえ——と言いたいが、番頭さん、お前さんの着物の脇に、重い物を持って破れた跡があったり、金具の
銹
(
さび
)
が付いているのはどうしてくれるんだ」
銭形平次捕物控:009 人肌地蔵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
銹
(
さび
)
のある低い声で入つて来る客に叮重に挨拶しながら、その度に手を袴の下から出して奥の間へ誘つた。この「さやうで御座ります」といふのが直造の口癖だつた。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
柄
(
え
)
の近くには黒い
銹
(
さび
)
の
痕跡
(
あと
)
さえ見えていたが、彼女はそれを右手の指の中に、
逆手
(
さかて
)
にシッカリと握り込むと、
背後
(
うしろ
)
の青白い光線に
翳
(
かざ
)
しながら二三度空中に振りまわして
復讐
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
その坊主頭の盲目のおばあさんが、キンボウとヤイチャンを前にならべて、
銹
(
さび
)
た渋いのどで唄の
素稽古
(
すげいこ
)
をする。そばで聞いていて二絃琴の唄はすっかり暗唱しているのだ。
旧聞日本橋:18 神田附木店
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「いっつも
銹
(
さび
)
だらけだ! 父ちゃんの指はいっつも銹だらけだ!」と小ジェリーは呟いた。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
労働者どもがそんなに威張り出したも誰のおかげだ、義理知らずめと詈っても取り合ってくれず、身から出た
銹
(
さび
)
と自分を恨んで、ひもじく月を眺め、
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
を疲らせた者少なくなかったは
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
巨鐘
(
おほがね
)
の
銹
(
さび
)
のやうなる
寂寞
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
心殘の
銹
(
さび
)
も無く
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
滯
(
とどこほ
)
る
銹
(
さび
)
の緑に
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
「正に一言もねえ——と言ひたいが、番頭さん、お前さんの着物の脇に、重い物を持つて破れた跡があつたり、金具の
銹
(
さび
)
が付いて居るのは何うしてくれるんだ」
銭形平次捕物控:009 人肌地藏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
銹
(
さび
)
のある鍵屋の隠居の声が響いた。しかし誰もすぐに立たうとはしなかつた。身内の者が済んだ後でも順位は
自
(
おのずか
)
らきまつてゐるのだつた。房一のうしろの方で誰か低い声で何か云つてゐた。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
六代目菊五郎のその
銹
(
さび
)
た声が室の外まで聞える。
一世お鯉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
“銹(
錆
)”の解説
錆(さび、銹、鏽)とは、金属の表面の不安定な金属原子が環境中の酸素や水分などと酸化還元反応(いわゆる「腐食」)を起こして生成される腐食物(酸化物や水酸化物や炭酸塩など)kb。英語では "rust(日本語音写形:ラスト)"。日本語の第2義その他については「#転義」以下を参照のこと。
鉄の赤錆・黒錆kb、銅の緑青kb、錫(すず)、アルミニウムの白錆など。
(出典:Wikipedia)
銹
漢検1級
部首:⾦
15画
“銹”を含む語句
水銹
汚銹腐蝕
潮銹
鉄銹色
銹器
銹銀色